Xセンター3styleについて

こんにちは。最近Xセンターの3style440手順を覚えました。コーナー3styleで挫折した自分がどのようにしてセンター3styleを覚えることができたのか、その方法を紹介します。この記事を読むにあたって前提となる知識は以下の通りです。

  • 4BLDができる
  • コミュテーターの仕組みが分かる
  • 3styleがどんな仕組みの解法か知っている(手順を覚えている必要はない)

逆に言えば、これだけで結構です。センター3stylerになっちゃいましょう!

4BLDの解法に関してはこちらをご覧ください。

4BLD入門(Y.Yさんからの寄稿) - Y.Yさん

【目隠しルービックキューブ】4x4x4目隠し(4BLD)の入門用解法を解説!(U2/r2/OP) - 鉄Cuber

コミュテーターに関してはこちらをご覧ください。

Commutatorの基礎理論 - Kemiさん

コミュテーターの仕組みについて - 望月真司さん

3styleに関しては後程、参考リンクを貼ります。

覚え方

3styleの覚え方に関しては、他にも良い記事を書いてくださっているのでぜひご覧ください。

2020年版・挫折しない3-style習得法 with hinemos - Sakakiさん

3style習得法 - たいへいさん

たいへいさんの記事では、

個人的に3styleは暗記8割、理解2割だと思っています。

と書かれていますし、全くもって仰る通りだと思います。結局はすぐに手順を思い出して回せるようにしなければ、2cycleより遅くなってしまいますし、特に3BLDのコミュテーターは仕組みを理解するのが難しいものも多いからです。

ですが自分は記憶力が悪いのか、コーナー3styleですぐに挫折してしまいました。コーナー3styleのセットアップは正直意味が分からず、まあ覚えるしかないのですが、耐えられませんでした。

ということで今回は、理解に重きを置いたXセンター3styleの習得法をご紹介します。少し特殊な覚え方ですが、個人的には良いんじゃないかと思っています。センターには1つのパーツに1つしか色がなくてコミュテーターが分かりやすいです。学んでいて意味不明な手順は1つもありませんでした。3BLDの3styleで挫折してしまった方、これならできる気がしませんか?それでは、頑張っていきましょう!

手順表

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。手順表はStanley Chapelの手順表を使います。バッファはUfrです。2022年12月現在、Stanley Chapelは4BLDと5BLDの単発、平均、すべてにおいて圧倒的な世界記録を保持しており、最も信頼できる手順と言えます。ですがこの手順表には欠点があって、書式がhinemosに対応していません。hinemosに手順をインポートする際には自分で書式を直す必要があるのですが、今回はそれを逆手にとって、手順を覚えていきます。

追記(2023/01/08): さーもんさんがStanleyの手順表をhinemosに対応した書式に直したものを公開してくださったので、現在は書式を自分で直す必要はありません。

ひねも - Google スプレッドシート

覚える順番

手順を覚えていく順番ですが、自分のナンバリングで五十音順に覚えていって良いと思います。手順をいくつかの系統に分けて覚えるという方法もありますが、3style手順を完璧にパターン化するのは難しいのと、どれを覚えてどれを覚えていないのか分かりにくくなるのであまりお勧めしません。

例えばこちらが自分のナンバリングです。この場合、あか、あき、…、あへ、いか、いき、…、いへ、えか、…と覚えていきます。あ行がU面ですが、U面がらみは簡単な手順が多いので、最初に覚えるのには良いと思います。面ナンバリングの方はU面から覚えても良いかもしれません。

1巡目 手順をエクセルに書き込む

エクセルで自分の手順表を作っていきます。例えば上のナンバリングだと、最初はあか(Ufr->Ubl->Ful)です。まずは手順を見ずに自分で手順を考えます。UfrとUblはU面でインターチェンジ可能だな、Fulはr u2 r'でUfrの位置にインサートできるな、だから[r u2 r', U2]だ!こんな感じで回しやすそうな手順を自分で考えてエクセルに書いてみましょう。それから手順表を見ましょう。自分が考えた手順と手順表の手順が同じだったらそのままで、違ったら書き直して手順の仕組みを確認しましょう。ただし、hinemosにインポートできる書式にしてください。この際の注意点*はこの章の最後に示します。このように、一度自分で手順を考えてみるという行為をはさむことで、手順に対する印象を深め定着しやすくします。数学でもいきなり解答を見るのではなく自分で解いた方が力がつきますよね?それと一緒です。

*書式の注意点

  Stanley書式 hinemos対応書式 備考
Ufr->Ful->Rub U2: Uw r Uw', l' [U2: [Uw r Uw', l']] コミュテーター、セットアップには角かっこ[]をつける
Ufr->Ful->Bul M' U2: r', U l2 U' [l' r U2: [r', U l2 U']] M、S、Eは対応していないので、適宜書き換える
Ufr->Ubl->Fur U/l' u2 l [U: [l' u2 l, U2]] A/B = [A: [B, A2]]とする
Ufr->Ful->Dfl U'D: r2, U' l' U [U' D: [r2, U' l' U]] 同時回しで繋がっているところにも空白を入れる

2巡目~ hinemosで定着

ある程度キリの良いところまで行ったら、手順をhinemosにインポートしましょう。これ以降は特筆すべきことはありません。何度も反復して覚えましょう。

基本パターン集

五十音順に覚えればよいと書きましたが、手順を覚える前にどのようなコミュテーターが使われるのか知っておいた方が良いと思うので、基本的なパターンを紹介します。

U面インターチェンジ

例 Ufr->Ubl->Ful [r u2 r', U2]

U面インターチェンジで、U面にインサートします。インサートはru系、rd系、lu系、ld系で行います。U2法をやったことがある方なら分かりやすいと思います。

uスライス/dスライスインターチェンジ

例 Ufr->Ful->Ruf [l' U2 l, u]

u系あるいはd系のインターチェンジで、(ほとんどの場合)U面のパーツをuスライスかdスライスにインサートします。インサートはrU系、lU系で行います。

rスライス/lスライスインターチェンジ

例 Ufr->Fdr->Bul [U l U', r]

r系あるいはl系のインターチェンジで、r系インターチェンジならlスライスの、l系インターチェンジならrスライスのパーツをインサートします。ただしこの場合インサートできるパーツには限りがあります。UfrとFdrでのr面インターチェンジを使うなら、rスライスにインサートできるlスライスのパーツはUfl、Fdl、Dbl、Bulの4つです。インサートはだいたいrU系かlU系ですが、たまにrD系やlD系も使います。

またこれの派生形として、

例 Ufr->Fdr->Luf [Uw l Uw', r]

インサートに2層回しを使うことで、側面のパーツをインサートすることができます。このやりかたでインサートできる側面のパーツは1種類しかありません。

全ての手順が、セットアップでこの3つのいずれかの形に持ち込むという形になっています。

セットアップとのキャンセルについて

セットアップとコミュテーターでキャンセルが起こることがあり、キャンセルにはいろんな種類がありますが、よく登場するものを紹介します。

例 Ufr->Ubl->Fur [U: [l' u2 l, U2]]

U面インターチェンジに持ち込むのにU面セットアップをするパターンです。UfrとUblはどちらもU面なので、U面インターチェンジのパターンになりそうですが、FurはUfrにもUblにも回しやすい動きでインサートできないので、UをすることでUflインサートにします。するとインサートの逆手順を回した時、Ublの位置がUflに来てるな、というイメージをすれば、最後がUになると分かります。

例 Ufr->Fur->Rub [u2: [l U l', u]]

uスライス(あるいはdスライス)インターチェンジにもちこむのにuセットアップ(dセットアップ)をするパターンです。こちらもU面インターチェンジの時と考え方は似ています。FurとRubがuスライスでインターチェンジアブルで、Bulにインサートしたいので、まずu2でFurをBulにセットアップします。そしてコミュテーターを回し始め、インサートの逆手順を回すと、RubすなわちR面のパーツがBulに来てるな、というイメージをすれば最後はuだと分かります。

例 Ufr->Rdf->Bul [l: [l d' l', U]]

rスライスかlスライスのセットアップとU面へのインサートでキャンセルが起こるパターンです。今回はlセットアップでインサートが先のコミュテーターに持ち込めるので、最初を180度回転にしてセットアップとインサートを一気にやる感じです。逆にインターチェンジが先の時は、普通にセットアップからコミュテーターを回し、インサートの逆手順の最後で思いっきり180度回します。

例 Ufr->Rdf->Dbl [l': [d', l' U l]]

U面インターチェンジがdスライス(あるいはuスライス)インターチェンジになっただけで先ほどのパターンとほとんど同じです。l'セットアップでインターチェンジが先のコミュテーターに持ち込めるので、最初は普通にセットアップからコミュテーターを回して、インサートの逆天順の最後を一気に180度回します。

例 Ufr->Fur->Bdl [U2: [l, U r U']]

U面セットアップからl系インターチェンジのコミュテーターに持ち込む形です。よく出てくる形の中ではこれが最難関だと思います。

まずUfrをセットアップする際、Ufrに来るべきパーツであるBdlとインターチェンジアブルな位置に持ってきます。今回はU2ですね。するとインターチェンジが先のコミュテーターの形になるので回すのですが、最後に注意が必要です。インサートの逆手順がU r U'なので最後U'を回したいところですが、セットアップがU2(180度回転)の時は、インサートの最後を逆向きしてUを回します。ここで、これの逆手順も見てみます。

例 Ufr->Bdl->Fur [U': [r, U' l U]]

当たり前ですが、Ufr->Fur->BdlとUfr->Bdl->Furは逆手順になります。なのでUfr->Bdl->Furはインサートとインターチェンジの順番を変えて[U2: [U r U', l]]で良い気がしますが、これは違う捉え方もできて、[U': [r, U' l U]]と捉えることができます。(やっていることは全く同じ動きです。)

Ufrに来るべきパーツはFurなので、こちらもU'でFurとインターチェンジアブルな位置に持ってきます。そして、インターチェンジが先のコミュテーターを回しますが、こちらも最後に注意します。今回はセットアップがU'と90度回転だったので、最後は180度回転にして、U2をします。

まとめると、

  • Ufrに来るべきパーツとインターチェンジアブルな場所にセットアップ
  • パーツの位置をイメージしながらインターチェンジが先のコミュテーターを回す
  • セットアップが180度回転(U2)のときはインサートの最後を逆向きに、セットアップが90度回転(U or U')のときはインサートの最後を180度回転(U2)にする

となります。

最後に

いかがでしたでしょうか、理解に重点を置いたが故に少し難しかったところもあったと思います。そして、こんなことをいちいち考えるより丸暗記してしまった方が良いという方もいらっしゃると思います。この方法が自分に合っているなと思ったら、採用してください。そうでなければ、自分の方法で全く構いません。

この記事が、自分のように覚えるのがあまり得意でない、理解して解くのが好きという方へのヒントになれば幸いです。