FMC BLDをやってみた

FMC BLDとは

単純にFMCをBLDでやるとなると、スクランブルだけを見て解法を考えてから目隠しをして枠内に解答を記入するという、人知を超えた行為になってしまいます。そのため今回は、スクランブルされたキューブを見て、ただしキューブを回さずに、解法を記入するという形にしました。

FMC BLDにおける考え方

まずこちらのツイートをご覧ください。

なるほど、面白いですね。このツイートをある方に紹介したら。

なんと恐ろしいことを...。やりますよ。

結果

...失敗しました。キューブ回せないと合ってるかどうか確認できないのが辛いです。とはいえ2つの回転記号のミスだけで、根本的なところに間違いはなかったので、思考過程を説明していきたいと思います。

思考過程

Scramble: R' U' F U2 L U2 L' R2 B2 L2 U2 B2 D R2 F2 L U2 L B' F R' U' F

分析

まずL' F2 (2手) でエッジが3つ、コーナーが1つ揃います。この状態で(もちろんキューブは回せないので頭の中で回転させます)、通常のBLDの要領で分析をしていきます。ただしバッファは揃ってないところを適当に指定します。

エッジ: UFバッファ BU UL LU DF DB RD BR DL LB FD

コーナー: UBLバッファ BDR DFR LUF DBL LDF UBR

パリティはありません。というか最初のセットアップでパリティが発生しないようにするのが無難だと思います。エッジはULのEOを挟み込みました。

実行(?)

エッジ・コーナーそれぞれについて3cycle手順を作ります。FMCですので重要なのは手数が少ないことで、速く回せることではありません。(したがって3styleを使った3BLDに習熟している必要はありません。現に僕がそうです。)

エッジ

[M', B L' B'] = R' L U L' U' R L' B L B' (10手)
[L' B': [U2, M']] = L' B' U2 R' L F2 R L' B L (10)
[M2, B R' B'] = L2 R2 F R' F' L2 R2 B R B' (10)
[B2: [B' M' B, L]] = B R' L U L U' R L' B L' B2 (11)
[M', F' L2 F] = R' L D' L2 D R L' F' L2 F (10)

計51手

コーナー

[R, D' L2 D] = R D' L2 D R' D' L2 D (8)
[D: [U2 B U2 B' U2, F]] = D U2 B U2 B' U2 F U2 B U2 B' U2 F' D' (14)
[B' D2 B, U] = B' D2 B U B' D2 B U' (8)

計30手

先ほどのツイートに書いてある通り8algsに収められましたが、コーナーの2つ目の手順が5手インサートになってしまいました。(こういう時はバッファを変えてみるのもいいかもしれません。ですがそんな気力は僕にはありませんでした。)

並べ替え・キャンセルなど

そして、エッジの5手順、コーナーの3手順の順番は守られている必要がありますが、エッジ3cycle手順、コーナー3cycle手順は互いに入れ替えても良いので、なるべくキャンセルが起こるよう入れ替えます。エッジの手順をそれぞれe1,e2,...,e5、コーナーの手順をそれぞれc1,c2,c3とすると、c1,c2,e1,c3,e2,e3,e4,e5という順番が良さそうです。これにより、計7手のキャンセルが起こります。

つまり、2+51+30-7=76手となりました。sub80できましたね!解答は次のようです。

L' F2 R D' L2 D R' D' L2 D2 U2 B U2 B' U2 F U2 B U2 B' U2 F' D' R' L U L' U' R L' B L B2 D2 B U B' D2 B U' L' B' U2 R' L F2 R L' B L' R2 F R' F' L2 R2 B L U L U' R L' B L' B2 L R' D' L2 D R L' F' L2 F

改善

この回答をTwitterで公表したところ、神ことうえしゅうさんからアドバイスをいただき、さらに4手縮まりました。

L' F2 R D' L2 D R' D' L2 D2 F' L2 F D' F' D L2 D' F R' L U L' U' R L' B L B2 D2 B U B' D2 B U' L' B' U2 R' L F2 R L' B L' R2 F R' F' L2 R2 B L U L U' R L' B L' B2 L R' D' L2 D R L' F' L2 F (72手)

となります。なかなか良いですね。

最後に

というわけで最初に数手セットアップをしていくつかパーツを揃えた状態から分析をしてコミュテーターを使って解くことで、80手を切ることは可能でした。皆さんもぜひ挑戦してこの記録を抜いてみてください。僕は二度とやりません。