Clockで上達するためのTips

最近日本のClock界は盛り上がりを見せています。そこで今回はClockで速くなるための知識をできるかぎり詰め込みました。この記事に書いたことが完璧にできれば、sub6は容易いでしょう。

しかし、あくまで僕の意見なので、人によっては違ったやり方をしている場合もあると思います。他の速い方の意見も聞きつつ、取捨選択して頂ければ幸いです。

解法

Tommyの7-simulを使いましょう。7-simulにもいろいろなバリエーションがありますが、速さに関してはTommy式が最強です。

note.com

開始面の選び方

開始面は8通りの中から選ぶことができます。開始面を選ぶ際に注目するポイントとしては、以下のようなものがあります。

①M1 (左下ダイヤルで回す部分) が少なくなるように

②M1の裏側 (右下ダイヤルで回す部分) が少なくなるように

③M4 が少なくなるように

まず①M1ですが、記憶して回す必要がある上に下側のダイヤルなので、これは少なくさせたいです。

次に②M1の裏側です。右下ダイヤルは記憶文字ではなく見て回すパートですが、これはM1の2つの針があるちょうど裏側の針の差を見ることでも分かります。見て回せるものの、こちらもできれば少なくしたいです。

最後に③M4です。上2つ以外の数字の中でもM1と同じ面にあり、確認しやすいからです。

個人的な優先順位としては①<②<③あるいは①<③<②です。これだけだとわかりずらいので例をあげましょう。

以下の例では、開始面の選び方を分かりやすくするために、いかのおすしさんの記事やTommyの動画と同様に針の位置に名前をつけます。ただし、これは7simulの解説で使われるように開始面を選んだうえでの位置ではなく、スクランブル後の面を基準とした時の位置です。

(どちらの面も上が12時)

 

例1: UR4- DR1- DL2- UL4- U1+ R1- D5- L6+ ALL3+ y2 U4- R4- D4+ L2- ALL3-

cとdの差が0で、他は1すらありません。なのでこれをM1にします。

 

例2: UR5+ DR1- DL0+ UL1- U3- R3- D3- L2+ ALL1+ y2 U3+ R1+ D3- L3- ALL6+

真ん中との差が1のエッジがたくさんあります。その中でも、CとLに関しては、その裏側(cとr)も差が1なのでこれを採用します。さて、表裏どちらをM1にするかですが、表面の場合はM4の絶対値が2、裏面の場合はM4の絶対値が5になるので表面の方が良さそうです。

また、このスクランブルに関しては他の選び方も考えられます。差が1のものの中でcとlをM1にすると、その裏側は差が3になってしまいます。しかし、M4が0になってくれるのでこちらの方が良いかもしれません。

(※この場合はM2やM3も0になりますが、開始面を選ぶ段階で気にするのは難しいので、考慮しないものとします。)

 

このように、どのような基準で開始面を選ぶかは好みによって変わります。どれだけDの動きを避けたいかなど自分の感覚と相談してください。

分析と記憶

基準面探しに1~4秒、M1~M6の計算に6~8秒が理想です。計算が速くなればなるほど、基準面探しに余裕ができます。しかしこのレベルになるには5000回程度はソルブする必要があるでしょう。

記憶ですが、数字のままではなく文字に変換して覚えることをおすすめします。特にM5やM6は計算が複雑なので、計算途中の数字と既に覚えた数字がごっちゃにならないようする必要があります。

M1とM2、M3とM4、M5とM6はそれぞれ同時に回すので、ペアにして覚えます。6文字しかないので音記憶できそうですが、計算すると既に覚えたものが飛ぶのでレターペアを用いています。

M6は計算が複雑で、計算している間にM5が飛ぶので身体記憶を使っています。僕が使っている身体記憶の方法はこちらを参照ください。

ironcuber333.hatenablog.com

文字で覚える、レターペアで覚える、身体記憶を用いるといった工夫は、記憶を飛びにくくするための工夫であり、こうすると分析時間は長くなってしまいます。しかし、これらを用いても計算速度を上げれば15秒は十分切れるので問題ないと思っています。(後述するように記憶文字を増やす場合はこの限りではありません)

指使い

ピンを下げる際は親指、上側のピンを上げる際は中指、上げる際は薬指を使います。まあこれに関しては自然とそうなると思います。上側のダイヤルは人差し指で回し、下側のダイヤルは小指で回します。小指で回すのはかなり難しいので、練習を要します。

また、リグリップの概念も考えられると良いかもしれません。たとえば+5の後に同じ指で+5を回すのはリグリップが必要ですが、+5の後に-5はそのまま回せます。タイマースタートの時などの短い間で良いので、記憶文字パートをどのように回すか想像できると良いです。また、6の場合は+6と-6を使い分けることでつながりをよくすることができます。たとえば+5の後に6のがある場合、この場合は+6ではなく-6と回すと良いです。

同時回し

見ながら回すパートでは、回す目標(伝われ)が左右どちらも同じですし、やっていれば勝手に身につくと思います。問題は記憶パートの同時回しです。狙った数字を回すために、いくつか方法が考えられます。

①手の感覚

②目視

③音

③の音ですが、同時に回すと音が同時になってしまうため、避けるべきだと思います。理想的なのは①の手の感覚のみで回せることですが、数字が大きくなると難しくなります。そのため、②の目視をうまく使うと良いです。目視といっても、針が動いている様子を見ながら数えるのではなく、瞬時に針が行くべき位置を計算し、そこに向かって回す感じです。慣れると、2箇所について瞬時に計算できるようになります。前のステップで先読みをしたり、ピンを動かしている間に読むことで、この方法でもほぼ止まらずに回すことができます。もちろんこの方法のみを使うだけでなく、数字が小さいものは手の感覚で回すなど、うまく使い分けられると良いです。

記憶文字を増やす場合

Tommyの7simulでは、M1、M2、M4、M5、M6の5つは最低限覚える必要があります。そして、M4と同時回しするM3も覚えていた方が速く実行できるため覚えることになっています。これと同様に、他のパートの数字も覚えることができます。計算式は以下の通りです。

Step3

左上ダイヤル: (d to r) + (UL to L) 

右下ダイヤル: (C to U)

Step5

左上ダイヤル: (C to D)

右上ダイヤル: (DR to R) + (u to l)

Step6

左上ダイヤル: (D to R)

右上ダイヤル: (l to u)

Step7

左上ダイヤル: (R to D) + (l to ul)

右上ダイヤル: (u to c)

 

理論上はこれらをすべて計算できれば、目隠しをしても揃えられる状態になります。全てはできないにしても、たとえばStep3を計算すると、Step4まで暗記パートとして回せます。

ですが個人的にはあまり効果が見込めないと思います。というのも、記憶した数字を回すよりも見て回す方が簡単だからです。もっと言うと、先述の通り、記憶パートでも目視で回す先を定めつつ回すことになります。これは実質見ながら回すことと同じです。

よって、これらを記憶することは事前にだいたいどれぐらい回すか確認する程度の役割しか持たず、インスペクションタイムを超過するリスクを背負いながらこれらを計算する意味があるかと言われると微妙なところです。

記憶文字を増やすかどうかの判断は、インスペクションが余裕で間に合うようになり、記憶文字を正確に回せる自信のある方が、自分のソルブスタイルと相談しながら決めるぐらいで良いと思います。

練習法

スピードアップを求める場合の回し方と、安定を求める場合の回し方は違うと思います。

地力を上げたければ、なるべく攻めて回しましょう。攻めると成功率が下がったり、ミスによりかえって遅くなったりしますが、それでも攻めることが重要です。

一方大会で安定した記録を求める場合や、大会前の練習では、正確に回すことを意識しましょう。落ち着いて回せるのでミスがなくなり、普通に良いタイムが安定して出ます。

最後に

はい、僕がClockについて思っていることは全て書いたつもりです。Clockが速くなりたいという方へのヒントとなれば幸いです。

東海チャレンジガンマ2024 レポート

東海チャレンジガンマ2024に参加してきましたので、例によって記事を書こうと思います。今回は3x3が1ラウンドのみのアルファ大会とベータ大会、そしてクロックが2ラウンドのガンマ大会という3つのシリーズ大会になっていました。

会場まで

クロックのためだけに新幹線に乗って名古屋へ、名古屋駅周辺で昼食をとってから東海道本線刈谷まで向かいました。刈谷駅から会場は歩道橋(?)を渡っていけたので楽でした。

スクランブラ

ちょうどベータ大会のBグループが始まったあたりで到着しました。ガンマ大会参加者だけど入れるかな...と思って入ったら、ちょうど良かったと言わんばかりにスクランブラになりました。このラウンドである方に3x3の平均が抜かれてしまいNR3桁へと転落してしまいました。

休憩時間

ベータ大会とガンマ大会の間の休憩時間ではクロックの練習をしたりClockerの方々と話したりしました。Nさんは今回初対面でしたね。あとWillさんがBLDで15秒出しててえぐかった。弊大学キューブ強すぎるんじゃ

1回戦

とりあえず平均は残したいと思い臨みました。

1試技目は5.44。なんとも言えない微妙なタイム...。

2試技目は4.85で、なんとかsub5しました。とりあえず前回出せなかった単発sub5を出せて一安心です。

3試技目でやらかして6.78。これカウントしたらまずいなーと思いました。

4試技目は4.95。平均確定した!安心して5試技目臨めます。ちなみに4試技目のスクランブルは6simulで、御殿場さんが3.12とかいうちょっと意味分からないタイムで揃えてました。6simulなのは良いんですが、右下ダイヤルを5回さなきゃいけなかったので、自分はあまり良いタイムではありませんでしたね。

そして迎えた5試技目、なんと4.28!かなり良い単発を出すことができました。個人的には4試技目よりこっちのスクランブルの方が好きです。

平均は5.08で更新!これだけでもわざわざ東海に来た甲斐がありました。ですが平均sub5できなかったのはかなり悔しい。次はsub5したいな...(フラグ)

youtu.be

自分の記録はこんな感じですが、他の人もすごかったですね!本当に御殿場さんとNさんが報われてよかった。Pengifuさんもsub4しててすごかった。

決勝

はいはい決勝ですよ。

1試技目で伝説のスクランブルが出ます。なんとM3~M6が全て0でした。5simulだうわ~と思いながら回しました。なんと4.01!!!さっきのPRをさらに更新できました。解いてるときはあまり意識したなかったんですが、なんとStep6もスキップしていて、4simulになっていました。少なくとも僕の記憶の限りでは4simulは初です。今回みたいに気付いてない可能性はあるかもしれませんが...。

4simulで4.01というのはかなり遅いと思いますが、回しにくい4simulでした。みんなこのスクランブルでとんでもないタイムを出しているという感じでもありませんでした。

2試技目以降は話す価値がないので割愛します。強いて言うなら意味のない4.28カウントをしました。

youtu.be

Nさん平均NRおめでとう!!!Shogunさんもsub6おめでとうございます!負けました...。半年ぐらい前までは日本国内で単発sub4や平均sub6が一人もいなかったのに、ここ最近のクロックの進化には目まぐるしいものを感じます。

自分は大会前の時点で平均日本3位、単発日本7位だったのですが、両方5位になってしまいました。正直日本3位の称号を失ってしまったのは残念ですが、上4人とは明らかな実力差があるので当然の結果と受け入れることにします。

東海スペース

大会の後は東海のスペースがありました。Clockerの皆さんとクロックリレーをしたり、キューバーの皆さんとお話しできて良かったです。らいひーさんもいらっしゃって、メガが流行ってました。メガは楽しいので自分も重点的に練習していきたいです。

大会ありがとうございました

というわけで運営、Delegateのみなさん、大会を開催してくださりありがとうございました。あれだけ廃止と言われていたクロックがここまで盛んになるとは想像もしていませんでした。本当に素晴らしい大会でした。

(ニューカマー?何のことでしょうかね?)

ルービックキューブについての教養卒論を公開するよ!

教養卒論って?

僕が所属する東京工業大学には、3年生の後期に教養卒論という授業があります。教養卒論における課題は以下のようなものです。

自分の専門分野やこれまで学修してきた教養や様々な経験を題材にして、その社会的な意味や影響といった主題を自ら設定し探究する論文を(日本語の場合は)5000~10,000文字で書いて下さい

つまり、テーマは自分で好きに決めて良いからそれについて5000字書けよーってことです。実際過去の優秀論文なんかを見ると、テーマは人によってバラバラでした。アニメやゲームなど自分の趣味について語っている方もいれば、自分の専門分野のことを真面目に書いている方もいます。

6年間キューブをやってきたんだからこれはもうキューブについて書くしかないですよね?ということで書きました。(ちなみに本文中に7年と書いてますが、これは僕が引き算できなかっただけです。)

大学垢から来た方へ

申し遅れました。鉄Cuberという名前でキューブ界隈にいます。一応クロックという種目で日本3位だったり、4x4x4目隠しという種目で日本4位だったりします。ルービックキューブの知識が無くてもある程度読めるように努力したので、せっかくこの記事にたどり着いたなら読んでいってください。

授業を受けての感想

東工大生からは悪名高い教養卒論ですが、個人的には楽しかったですよ。先生の機嫌取りたいとかじゃなくて本当です。まず、どのようにすると分かりやすい文章が書けるか、引用はどのようにするべきか、といった座学の授業がありした。そして、ピアレビューといって、同級生と文章を読み合ってより文章を良いものにしていくというパートがありました。

僕の担当の先生はとても話が上手だったので、座学は面白くてためになりました。ピアレビューも、自分が好きなことについて書いた文章を読んでもらうのは結構嬉しいものです。

自分はいわゆる小学校から高校までの国語の授業は苦手で嫌いでした。しかし、自分で文章を書くという行為は好きなんですよね。特に今回は自分の趣味についてなので筆がどんどん進みました。

テーマ決め

ルービックキューブについて書くことは確定だとして、テーマをどうしよう。自分が普段やっているのは、いわゆる速解きです。早く揃えるために数十~数百という手順を覚え、反射的に回せるようにします。初心者向け解法も、これへの導入が多いです。しかし、ルービックキューブを初めて揃えられるようになった人が、「なんか思ってたのと違う」と感じるのも事実。そこで、ルービックキューブを手順を覚えずに理論的に解く方法を紹介しようと思い立ったわけです。

アウトライン決め

さて、ルービックキューブを理論的に解くにはコミュテーターが有名です。コミュテーターの理論を使うと、ルービックキューブの一部のみを交換する手順を作ることができ、揃えることが非常に簡単になります。しかし、これを自分なりのアプローチで説明したいわけです。

そのため、まずはパーツに番号を振り、ルービックキューブの構造を明確にしようと思いました。これにより、起こりえない状況(エッジキューブのみの2点交換など)が説明できます。そして、コミュテーターの理論は既に確立されていることは明確にした上で、先ほどの理論を用いてパーツの3点交換ができることを証明しました。

最後に、目隠し競技で使われる3-styleという解法を参考に、ルービックキューブを解く方法を説明しました。

教養卒論の本文

5000字~10000字程度ということになっていますが、これより多い分には問題ないと言われたので、好きなだけ書きました。結果、Wordで18000字になってしまいました。一連の数式が1文字扱いになっているので、実質的には多分もっと多いです。

多分ツッコミどころは多いと思います。なんでこんな数式を多用しているのにTeXじゃないのかとか、群論勉強しろよとか。ですが、この文章も僕レベルの知識で書いた結果ということで、これはこれで良いじゃないですか(適当)。ということで、眺めるだけでも良いんで読んでいってください。

drive.google.com

おまけ(大変だった点などを適当に)

群論がわからない

なんかルービックキューブって群論と結びつきが深いみたいなんですよ。ですが僕は数学系ではないので、1年生の線形代数微分積分学の知識で止まっています。これを機に勉強しても良いんですが、僕以外も数学系でなければ群論は詳しくないと思うので、線形代数の知識でゴリ押しました。面倒くさかったわけではないです。決して。

位置と向きを分けて考えると難しい

ルービックキューブの一般的な性質を探る上では、位置と向きを分離して考えた方が良いのですが、この理論だとコミュテーターが分かりずらい...。なんとかこの理論でゴリ押して証明し、最後にステッカー単位でのコミュテーターとも捉えられますと説明しました。

Wordの数式だるい

数式多用する文章だとTeXの方が良いんですが、テンプレがWordだったのと、TeXにあまり慣れてないのでWordで書きました。ちなみにTeXで書いてる人もいました。

論文の体裁

自分で言うのもあれですが、論文の体裁は、結構できている方だと思います。必修ではない実験の授業をとって、レポートを苦労して書いた経験が役に立ちました。

全く知らない人に説明するのって難しい

言われたのは、専門分野の違う東工大生に説明するつもりで書いてくださいということです。つまり、読み手はルービックキューブのことを知りません。なので前提知識がなくてもわかるように書きました。キューバーにとっては当たり前のことでも、非キューバーにとっては全然当たり前じゃないということを痛感しました。まあそれでも内容が煩雑なので難しいのですが...。

ところでこの記事の最初に「キューブの知識が無くてもある程度読めるように努力したので」と書いてますができてますかね?できてないですね。

パラグラフライティングとかなんとか

どうしても文章を書くときって一文が長くなりがちだと思うんです。ですがそのような文章って読みにくくて、分かりづらいです。あとは1つの段落で話題があっちこっち変わったりして何が言いたいのか分からない文章も読みにくいですね。

そこで、パラグラフライティングといって、分かりやすい文章を書く方法を座学で学びました。聞くとまあそうかと思えるんですが、これが意外と難しい...。でもいい経験にはなったと思います。

ちなみにこの記事はあまりパラグラフライティングができてないと思います。読みづらくてすみません。好き勝手にものを書けるラフなブログ記事でそこまで推敲する気力はないです。

7simul練習記

10/2 ~ 7-simulを学ぶ

元々クロックはFlipで9秒ぐらい。

東海が終わった後、7-simul自習室が発表されたりじわじわ流行っていたのでやることにしました。運営に入っている大田BLD2024新春にクロックを入れてもらい、準備完了。とりあえずこの日はやり方を覚えてできるようにします。

参考にした記事はこちら。

note.com

ナンバリングも決めました。初成功は分析4分、実行35秒ぐらいでした。この日は30回ぐらいやって分析がたまに1分切れるぐらいまで行きました。

10/3-10/7 ~ ひたすらソルブ

分析含めて計測してひたすらやりまくりました。このときは開始面を固定してました。分析はsub30がちょこちょこ出るぐらいでした。

あとは気晴らしにFlipをやってPBを更新しました。ですがこれはFlipでの最後のPBになります。

1/5/12/100=6.63/8.18/8.61/9.13

10/8 ~ 開始面ニュートラ

開始面を選ぶようにしました。これによってDのダイヤルを回す量が減るので、同時に小指回しも始めました(それまでは親指)。ちなみにDのダイヤルは真ん中のダイヤルと上のダイヤルの差だけ回す必要があります。この2つはUのダイヤルだけではどうやっても一緒に動くからです。開始面を選べるとはいえ、裏と表それぞれについてDのダイヤルを回すので、最悪の場合Dのダイヤルで6とか回す必要があり発狂してました。

あとはM6を分析している間にM5を忘れやすかったのでM5の身体記憶をやってみました。このときにだいたい今やってる方法が確立されます。

10/9 ~ 分析sub15

500ソルブぐらいしてやっと初の分析sub15が出ました。

25.52=14.09+11.43   UR5- DR6+ DL3- UL2- U5- R1- D4- L5+ ALL0+ y2 U6+ R0+ D1+ L4- ALL5+ UR DL

10/12 ~ FlipのPBを超す

18.85=12.53+6.31   UR3+ DR3- DL3+ UL3+ U1+ R1+ D1+ L6+ ALL5- y2 U0+ R4+ D0+ L2- ALL4- UR DR

FlipのPB(6.63)を超えました。あとはスタックタイマーで計測して7simulを練習していることを初公表しました。この動画をYouTubeに出したらBrendyn Dunaganからコメントが来ました。

10/14 ~ しんゆりキュービングルーム

インスペクションが間に合わない場合もあるのに計測会に出ました。結果は3×でしたが、揃ったのが両方ともsub7でした。

10/16 ~ 単発sub6 & ao100が残る

分析が間に合うことが多くなったので、スタックタイマーで計測するようになりました。ここでようやく単発sub6を達成します。

5.96   UR5- DR4- DL5+ UL1+ U4+ R3- D4- L1+ ALL2+ y2 U5+ R6+ D1+ L1+ ALL0+ UR

あとはao100が残り、完全にFlip時代の自分を超えました。

1/5/12/100=5.96/7.14/7.86/8.87

10/21 ~ クロックの針を入れ替える & 単発sub5

黒の針と白の針を秘密の技術によって入れ替えました。海外のClocker曰く、That's a secretらしいです。聞かれたら方法を教えるかもしれません。

単発sub5とかao5 sub6も出ました。

10/22 ~ 平均subNR

7simulを初めてちょうど20日、平均でsubNRしました。いろんな種目をやってきましたが、ここまであっさりsubNRできる種目は初めてでした。

10/27 ~ 平均sub5.5

平均でsub5.5しました。7simulの記事の作成者であるいかおすさんを抜いたみたいです。

10/28 ~ 単発4.32

単発4.32が出ます。subNRも目前ですが、このPBは長いこと君臨します。

11/6 ~ ao100 sub7

sub7 Clockerになりました。

12/4 ~ ao12 sub6

なぜこんなに間が空いたかと言うと、綾瀬FMCがあったのでずっとFMCをやっていたからです。大田新春も告知されたのでぼちぼち再開します。最初は調子が悪かったですが、100回ぐらいソルブしたら戻りました。ここでao12でsub6します。ao100も更新し、6.39まで縮みました。

12/9 ~ ao12でもsubNR

かなり調子が良くてao12でsubNRしました。あとはao12 5.99が撮れました。

youtu.be

12/12 ~ 単発subNR

4.13   UR4- DR4+ DL4- UL3- U5- R5+ D0+ L6+ ALL4- y2 U3+ R1+ D0+ L2+ ALL2- DR DL UL

やっと4.32を破り、subNRします。

ao5やao12もかなり良いのが出ました。

12/15 ~ レギュレーションの変更 & ao100 sub6

クロックのレギュレーションが2024年から変更されることが発表されました。インスペクション中にピンを動かしても良いので、競技者としては嬉しい変更点でした。

これによりモチベが上がったのか、調子が良かったです。ao5でsub5したり、ao100でsub6したりしました。

12/17 ~ しんゆりキュービングルームでsubNR

しんゆりキュービングの計測会でsubNRしましたが、その後御殿場さんに分からせられました。髙宮さんが1ヶ月前のしんゆりでクロックを教えてから、めちゃくちゃ速くなってきて(ao100が6.5ぐらい)驚きました。

12/18 ~ 単発sub4 & ao100 subNR

3.98   UR1+ DR0+ DL5+ UL0+ U1- R0+ D4- L1+ ALL3- y2 U3+ R1+ D1- L0+ ALL2- DR DL UL

ようやく単発sub4が出ます。あとao100もsubNRしました。

12/21 ~ 同時回しをいい加減意識する

御殿場さんも記事で仰っていましたが、記憶パートの同時回しは難しいです。僕も完全同時ではありませんでしたが、意識して練習すれば差をつけられるのでは?と思いました。まあやり始めると地獄だったんですが。でも成功すると割といい記録が出ます。ao5でsub5を撮ることができました。ちなみにこれ単発もsubNRです。

youtu.be

12/24 ~ 豊島キューブ会

豊島の計測会ではsubNRできませんでした。2試技目で裏が1個だけずれてました。4試技目で6秒カウント確定。あーしんどい。

12/28 ~ ao100 sub5.5

ao100でついにsub5.5しました。これ、東海前の御殿場さんやNさんより速いみたいです。

1/3 ~ ao12 sub5

ついにao12でもsub5の壁を突破します。4.05をカウントできたのがかなり大きかったです。

1/5 ~ NRが更新される...

オランダの大会で日本の平均NRが4.55に更新されてしまいました。聞いてないって...。このときのao5のPBが4.56だったので、ただのsubNRしてない人になってしまいました。

1/8 ~ 再びsubNR

気合いでsubNRしました。

1/13 ~ しんゆりキュービングルーム

計測会は平均5.43。まあそれは良いんですけど、髙宮さんがさらに1秒以上縮めてやってきました。ao100抜かれてたし。計測会でも負けてしまいました。

お互いあとちょっとでsub5できそうだったので、大会までにao100でsub5してくることを一方的に約束しました。

1/20 ~ 大会当日

結局この時点でのPBは1/5/12/100=3.65/4.35/4.59/5.10。sub5はできそうでできなかったです。

詳しくは大会の記事を見てください。5BLDとかMBLDとか3BLDとか終わってクロックの競技。試技の前に髙宮さんがsub5できなかったことを報告してくれました。大丈夫。僕もできなかったよ。僕が5.10で、髙宮さんが5.08ぐらいだった記憶があります。

自分の試技は7秒からの4連続5秒で平均5.51秒でした。東海大会で出されたNRよりは速かったのでまあ良いでしょう。

試技が終わって自分の席を立つと、...?単発NR出てる...?試技中は観客が静かにしてくれていたので全然気が付きませんでしたが髙宮さんが単発NR出していました。本番強すぎでしょ。

5試技目の後に髙宮さんのまわりに人が集まって平均を計算していました。4.66秒だったようです。

???????????

ao100がsub5してないんだよね?え??自分よりも圧倒的に成長速かったし、これからもっと速くなることでしょう。応援しています。ところで単発すらsub5できなかった自分は完敗してしまいました。

ということで大会では2位入賞、平均日本3位になりました。7-simulを始めて、クロックで入賞を勝ち取ることができた点は良かったです。痛感した点は、やっぱりNRってすごいだなということ。大会という場で、他の誰よりも良い記録を出す。これは並大抵のことじゃないです。あわよくばNRがとれたらいいなと思っていた自分に刺さる大会でした。

 

最後に、とはいうもののクロックは7-simulをやるだけでかなり速くなれます。日本の平均sub6はみんな7-simulです。7-simulやろうね。もちろんTommy式で。

大田BLD2024新春 レポート

2024年初の大会は大田BLD2024新春でした。自分はBLD大会推進有志の会として、運営にも関わっていました。種目は3BLD、5BLD、MBLD、クロックの4種目。クロックも最近は競技性が変わってBLD種目に仲間入りしました(?)。自分は5BLD、MBLD、クロックの3種目に参加しました。

5BLD

meanを残すことを目標にしていましたが、大会直前は失敗が多かったので不安でした。そして、日本初の全種目制覇を目指していたので、他の方が平均を残すのではないかと焦っていました。しかし他人の不幸を願うことは、これすなわち罰が当たることを意味します。

1試技目、14分台で無難に成功。

2試技目、なんかいろいろ崩れてた。さよなら5BLD Mean。タイムは16分。

3試技目、攻めるしかないので攻めた。...2EOだけ残って9分でした。ああああああ...

ちなみに家でも10分を切ったのは1回しかないので、本当に悔しい。見事に罰が当たった。すみませんでした。ちなみに結果は3位入賞でした。地味に初入賞です。

youtu.be

1位はY.Yさん、流石の安定感で6分台。自分も多分割BLDを頑張りたいと思うので、これぐらいを目指したいと思います!2位はShotaさん、前回のFMC大会に次いで2回目の大会で、またも入賞。内訳も2○で安定感すごかったです。

MBLD

PRが2/3だったので、さすがに更新したいと思って出場したMBLD。12個挑戦しました。家でやっても12個はギリギリ間に合うぐらいなので、間に合うかどうか半々ぐらいでした。なんとか間に合いましたが9/12。9個揃えたというと良さそうですが、6ポイント。MBLDは1つの失敗が大きいのが苦しいですね。とはいえ9/12というまあ全種目erがMBLDやってるならこんなものだろう程度の記録が出たので、しばらくはMBLDは出場しないと思います。

youtu.be

3BLD

僕は出場しなかったのですが、記録入力など仕事がいろいろあったので、あまり観戦はできませんでした。印象深かったのは、筋トレさんがsub30で3位入賞!おめでとうございます。まっさんもしれっと16秒出しててすごすぎる。2位はたいへいさん。毎回安定して3BLDで入賞しているイメージがあります。(多分割BLDにもきてくれることを楽しみにしています...)

Clock

Clockは僕にとって今回のメイン種目でした。東海大会が終わったあたりから7-simulの波にのり、練習を始めました。この練習の進捗を別記事に書いたので、そちらも見ていただけると嬉しいです。

NRも狙ってはいましたが、1週間前にNRが大幅更新され、望みはなくなりました。とりあえず自分のベストを尽くそうと思い試技に臨みました。

あとは少し試技前に騒がしかったので、静かにするよう呼び掛けてもらいました。ありがとうございます。あとでみやちゃさんと話していたのですが、どの種目でも静かにさせた方が良いよねという話になり、その通りだと思いました。

さて競技の結果です。

1試技目で7秒を出してしまい先行きが怪しい。と思いきやそこから4連続5秒で平均5.51秒!2位入賞しました。記録も日本3位の記録です。海外の強い選手も集まっている中、入賞できて本当に良かった。

youtu.be

1位は髙宮さん、しんゆりでクロックを頑張っていたのは知っていましたが、流石の本番の強さで完敗しました。単発NRもおめでとうございます!3位は御殿場さん、3.6のDNFは見ているこっちも苦しくなりました...。実力は圧倒的にあると思うので、次の大会で"ブチ抜いて"ください。

入賞者は全員Tommyの7-simulを使っています。ということでみんなも移行しよう!

さいごに

自分が運営に入っている大会で入賞、NRも出たりとかなり内容の濃い大会でした。もちろん3x3などがある普通の大会も必要ですが、こういうマニアック大会も良いですよね。一緒に運営してくれた実行委員のみなさん、ジャッジやスクランブラに協力してくれたみなさん、ありがとうございました。

Roux OH上達法

この記事は、2022年8月にスピードキュービング大学にて執筆したものです。当サイトの閉鎖により、こちらに記事を移行します。

はじめに

こんにちは、鉄Cuberという者です。1年ほど前からRoux MethodでのOHをメインでやっていて、ついに、ao100でsub15を達成しました!

これまでの経験を踏まえて、Roux OHで速くなりたい方へ向けて必要な知識や練習方法について書いていきます。

この記事では、Roux Methodでキューブを揃えることができ(2 Look CMLLでも可)、Roux OHでsub20~sub15程度まで速くなりたい方を対象としています。現在のタイムは問いません。

まずRoux Methodで揃えられない方は、こちらの解説動画をご覧ください。

【ルービックキューブ】Roux Methodを解説!(前編:FB,SB,CMLL)

【ルービックキューブ】Roux Methodを解説!(後編:LSE M列右手用)

【ルービックキューブ】Roux Methodを解説!(後編:LSE M列左手用)

片手におすすめのキューブ

もちろん上級者はどんなキューブでもある程度使いこなすことができます。しかし、まだ片手で上手く回せない段階では、片手で回しやすいキューブを使って練習するのが良いでしょう。(慣れてきたらあえて苦手なキューブも使ってみると、良い練習になります。)

そこで、筆者が片手におすすめするキューブをいくつか紹介します。あくまで個人の感想ですので、できればいろんなキューブを買ってみて、自分が良いと思ったものを使うと良いです。

DaYan TengYun M: 筆者がメインに使っているキューブです。回転はかなり軽くM列が簡単に回せますが、磁力が極めて弱いです。磁力が弱すぎるので安定感に欠けますが、コーナーカットが広いことで、欠点を補っています。TORIBO / smartship

MoYu WeiLong WR M: 残念ながら生産中止で入手困難になってしまいました。回転は軽いですが、直線的で角が立った回し心地です。M列も簡単に回せます。磁力はちょうど良いぐらいの強さです。世界トップのOH Rouxerはこれを使っている方が多い印象です。TORIBO / smartship

Cubing Classroom RS3M 2020: 基本的には回転は軽いですが、少し粘り気のある回し心地で、M列が若干重いです。磁力はちょうど良いぐらいの強さです。最近OHでとてつもない記録を出しているFahmi Aulia Rachmanさんはこのキューブを使っています。TORIBO / smartship

指使い

片手で重要なのは、指使いです。最初のうちは上手く回せなくてできないと思いますし、良くない指使いをしている場合もあります。そのため、OHで使う指使いを一通り確認しましょう。

ホールド

まず使う手ですが、左手がおすすめです。普段両手で解くとき、左手でホールドをして、右手主体の手順を回すことが多いと思います。片手で回すときに、右手主体の手順を適用しやすいのが左手なので、左手をおすすめします。それでも右手で回したい方は、普段と左右対称の手順を使います。以降、左手で回すことを前提に話を進めます。
ホールドですが、親指で手前右下2×2ブロックの真ん中らへん、中指と薬指の両方、または中指のみ、または薬指のみで後右下の2×2ブロックをホールドします。中指と薬指の位置については、本当に人に依るので、自分がしっくりくるものを採用してください。

U面・R面

U面・R面の回転はOHの中でも基本的な指使いになります。何度も何度も練習して体にしみこませてください。

  • U’: 両手の時と同じように、人差し指でトリガーします。
  • U: 人差し指を手前に持ってきて弾くか、L面の後ろ側を押し込むようにして回します。
  • R: 小指または薬指でR面をトリガーします。
  • R’: 小指または薬指を手前に持ってきて弾くか、D面の後ろ側を押し込むようにして回します。

まずこの4つが基本になります。選択肢が複数あるものもありますが、最初に書いてある方がより一般的です。例えばUだったら、押し込みよりも弾きの方が一般的です。参考にしたうえで、自分に合ったものを選択してください。
練習方法としては、セクシームーブ(R U R’ U’)などを何度も繰り返すのがおすすめです。

最初は特にR’が回しにくいと思います。やりがちなのは人差し指をR面の後ろ側に持ってきて手前に回すという指使いです。部分的に使った方が良い場面もありますが、基本的には上に書いた指使いを使うようにしてください。

  • R2ダブルトリガー: 小指→薬指あるいは薬指→小指の順でダブルトリガーをします。薬指のみをホールドに使っている方は使えません。中指と薬指でホールドしている方は、一時的に中指のみのホールドになります。
  • U2’ダブルトリガー: 人差し指→中指の順でダブルトリガーをします。中指のみをホールドに使っている方は使えません。中指と薬指でホールドしている方は、一時的に薬指のみのホールドになります。
  • はらいU2’/はらいU2: ダブルトリガーの代わりに、はらいU2を使うという手があります。中指をホールドに使ったまま、U2を回すことができます。
    この3つは発展的な指使いで、絶対これを使った方が良いとも限りません。ホールド的にトリガー2回の方が良い場合もあります。

Rw系・M列

RU系に加え、Roux OHで肝となる指使いです。

  • Rw: ホールドを少し左にずらして、小指または薬指でトリガーします。
  • Rw’: ホールドを少し左にずらして、小指または薬指を手前に持ってきて弾くか、D面の後ろ側を押し込むようにして回します。
  • Rw2: 小指→薬指あるいは薬指→小指の順でダブルトリガーをします。
  • M’, M, M2′: キューブの右下の辺を机にあてて、Rw系と同じように回します。ただし押し込みを使っている方は、押し込みでMを回すのは難しいのでこれに限って小指で弾く指使いを使うという手もあります。

L面・D面

  • L面: z持ち替えして、U面を回すように回します。
  • D: 薬指でトリガーをするか、z’ Rのように回します。
  • D’: 薬指で押し込むか、z’ R’のように回します。
  • D2′: 小指→薬指あるいは薬指→小指の順でダブルトリガーをします。

片手ではz持ち替えが容易なので、RUL系の手順やRUD系の手順は比較的回しやすいです。

F面・Fw系・B面・S列

  • F: 親指を左下から押し上げるように回します。
  • F’: 人差し指で左上を弾く(ミハエルトリガー)か、親指で左上から押し下げるように回します。
  • Fw: 人差し指でL面側からS列を押し込むように回します。
  • Fw’: F’のミハエルトリガーと同じような感覚で、人差し指で上側からS列を弾きます。こちらは親指で押し下げるのは難しいです。

その他

  • Uw系: ホールドを少し下ずらして、U面と同じような感覚で、人差し指あるいは中指でE列を回します。
  • B: z’ Fwのように回すか、人差し指を左後ろ側にもっていって押し下げるように回します。後者はかなり難しいです。
  • B’: z Fw’のように回します。
  • S’: 親指でF面に少し力を入れて、Fw’と同じように人差し指で上側からS列を弾きます。

一通りOHの指使いを列挙しました。発展的な指使いもあるので、もちろんいきなりすべて使える必要はありませんが、赤文字で示したものは最低限回せるようにしましょう。

ステップ別tips

FB

FBでは、とにかく1x2x3のブロックを作ります。その自由度ゆえ、初心者から上級者まで、Rouxerを苦しめる存在だと思います。どんな場合でもインスペクションで完読みし、10手以内で揃えたいところです。

Rouxでは完全なCNである必要はありません。D面色デュアル(例えば白・黄)で側面色自由の8通りできれば十分です。完全CNはSBやLSEなどでデメリットが大きいと思います。

インスペクションでの思考過程ですが、既にあるブロックを探します。ブロックがあれば8通りのFBのうちから、1通りか2通りに絞ることができるので、残りのパーツを探して効率のいいFBを考えます。完バラスクランブルの場合は、気合で作るしかないです…。完バラの場合のみ色を固定しても良いと思います。

FBの作り方は本当に自由なので、体系立ててFBの作り方をまとめることはほぼ不可能です。上級者のExample Solveなどをたくさん見て自分なりに技術を吸収してください。
また、さらに余裕があればDRエッジの位置も読むと良いと思います。

SB

SBはRrMUgenで揃えられるので、OHにおいてはボーナスステージです。SBは比較的F2Lに近いですが、M列が空いているのでより自由なスロットインが可能です。SB特有の定石のパターンについては、SpeedCubeDBにSBLS(Second Block Last Slot)の手順表があるので、参考にすると良いと思います。

CMLL

CMLLの判断ですが、まずは自分で判断基準を決めてください。判断基準の例を以下に示します。

そして片手用のCMLLを覚えていない場合は覚えましょう。Kianのサイトの手順表がおすすめです。両手用のCMLLを既に覚えていても、中には片手で回しにくい手順もあるので、片手用のCMLLも覚えていきましょう。両手CFOPで片手のためにRouxをやる場合はいきなり片手用の手順を覚えてしまって良いと思います。

そしてCMLLの中でも一部の手順はエッジの移動が簡単なので、EOあるいはEOLRを読むことができます。慣れてきたらCMLL前にEOやEOLRを読んで、間髪入れずにLSEに移行しましょう。

また、一部のパターンではCMLLを使い分けることでEOをスキップさせたりArrow(解説動画では基本形として紹介しました)を出現させることができます。簡単なものだと、U対角での6手OLLの使い分け、Sune無交換でのFat Suneなどが挙げられます。

LSE

LSEにおけるキャンセル

LSEの基本的な流れ(EO→LR→L4E)を抑えたうえでまず知って欲しいのは、LSE特有のキャンセルです。

例えばULURエッジを対角の位置に持って行ったとき、この2つをペアにするときは上側にある方のULURエッジを押し上げるようにしてペアにする方法と、押し下げるようにペアにする方法があります。写真左側のように、上側のULURエッジが同色のヘッドライトに挟まれている場合、押し上げるようにペアにするとキャンセルが入ってそのままULURを揃えることができます(この写真の場合だとM’ U2 M’)。また写真右側のように、上側のULURエッジが対色のヘッドライトに挟まれている場合、押し下げるようにペアにするとキャンセルが入ってそのままULURを揃えることができます(この写真の場合だとM U2 M’)。

ULURを揃えた後L4Eを読むことができると、ここでもキャンセルが入れられます。写真のパターンの場合、M2 U’でULURを揃えると平面交換のパターンになるので、キャンセルを入れてM2 U M2 U2と揃えることができます。

平面交換とセンター交換の場合は先読みが比較的簡単ですが、3点交換の先読みは少し難しいです。自分もこれはなかなかできず研究段階なのですが、できる方はほぼ100%読むことができるそうなので、一度自分でパターン化して確認すると良いと思います。

センター交換回避

ULURエッジを揃える前に、センター交換が来ると分かった時、回避することができます。

ULURがD面に配置してあってM2で揃うときは、U2 M’ U2 M2 U2 M’と回すと揃います。
ULURが対角の位置にあって、上側のULURエッジが同色あるいは対色のヘッドライトに挟まれている場合は、キャンセルが入る方とは逆のやり方で揃えるとセンター交換を回避できます。例えば写真の場合、M’ U2 M’でそのままULURを揃えるとセンター交換になってしまいます。ですがここで、M U2 M U2 M2と、あえて遠回りをして揃えるとセンター交換を回避できます。

EOLR

EOLRとは、EOを揃えると同時にULURエッジをD面に配置させる(場合によってはキャンセルが入ってそのままULURが揃う)substepです。両手では有用性が疑問視されていますが、片手では非常に有用です。EOLRはLL手順などとは違い、F2Lに近いものなので、楽しく覚えられると思います。EOLRについては素晴らしい記事が既にあるので、そちらをご覧ください。

EOLR入門 – タニシ・キューブログ

タイム別アドバイス

Roux Methodの各ステップで習得すべき知識を確認したところで、タイム別にどのような練習をすればよいのか、具体的に伝えたいと思います。

~40s

まずは指使いに慣れましょう。指使いのところでも書いた通り、R U R’ U’などの基本的な動きを繰り返すなど練習すると良いと思います。あと最初はM列の指使いにも苦労すると思います。こちらもM’ U’ M UやM’ U2 M U2など基本的な動きを繰り返し練習すると慣れてくると思います。

40s~30s

F2Bを効率よく作ることを意識しましょう。インスペクションは無限でいいので、効率の良いFBを読みましょう。SBも定石を少しずつ増やしましょう。いいやり方が思い浮かばないものから、潰していくのもアリです。

sub30するのに必須ではありませんが、CMLLを覚え始めても良いと思います。

30s~25s

CMLLをまだ覚えていなければ覚えましょう。両手用のCMLLを使っている場合も、片手専用の手順を覚えた方が良いパターンも多いです。
ここまでくると、F2Bはある程度慣れてきて、判断もそこそこの速さでできるようになっていると思います。ですがF2Lにとらわれて、非効率な手順を使っていることがあります。SBLSの手順表と自分の手順を比べて、必要があれば揃え方を変えてみましょう。F2Lとはまた違った楽しさがあります。

25s~20s

このあたりからは先読みも大事になってきます。手が止まりやすいのはFBからSBのつなぎ、SBの途中、CMLLの判断、EO(EOLR)の判断、L4Eの判断です。このうちCMLLの判断については先読みが難しいですが、他は改善することができます。インスペクションでDRエッジの位置を読む、SB中に次のパーツを探しておく。CMLLにおけるエッジの移動を覚えてEO(EOLR)を読む、ULURを入れる前にL4Eを読むことができるようパターンを整理する、などの工夫が挙げられます。もちろんいきなりこれらができるようになるわけではなく、日ごろからの練習を積み重ねることで得られるものですが、このあたりを意識することで、一気にソルブが改善されると思います。

ちなみに、片手は両手よりも回す速度が遅いので、先読みが簡単です。これを利用して、いかに先読みできるかが鍵となってきます。

また、このあたりからEOLRを始めると良いと思います。使わなくてもsub20はできますが、使えると非常に便利です。

20s~16s

よほどtpsが高い方でなければ、sub17~sub16あたりを目標にしたときEOLRは必須の知識だと思います。また、EOLRを使うにしても判断に時間がかかってしまうと意味がないので、CMLLを回す前にULURエッジの位置は確認しましょう。もちろんEOLR読めると良いですが、読めない場合もCMLLを回しながら目で追うだけでも変わってきます。
細かい点ですが、改めて指使いを増やすことができないか確認しましょう。おそらく基本的な指使いはできていて(万が一変な癖があればすぐに直して下さい)いると思いますが、発展的な指使いも試してみましょう。ダブルトリガー、F面やB面の回し方など、タイムに寄与するのはコンマ数秒単位かもしれませんが、試してみると良いと思います。

16s~

現在の筆者が約15~16秒程度の実力ですが、まだまだ自分のソルブは伸びしろだらけだと思っています。そこで、自分が課題だと思っている点について共有します。

  • FB~SBにおける先読み: sub17になってもFBからSBのつなぎやSBの途中で止まっていることが多々あります。F2Bを一切止まらず回せるだけで、sub14程度は余裕だと考えています。
  • CMLL判断: CMLL判断に少し時間がかかることがあります。特にSuneとAnti Suneに関しては1つの面からしか判断できず、無駄なAUFが発生しています。できればどの面からでも判断できるよう、判断基準を増やしたいと思っています。
  • EOLR後のL4Eの先読み・センター回避の判断: L4Eの判断でやはり手が止まっています。ULURエッジを入れる前に読めるよう、パターンを自分で整理したいと思います。キャンセルやセンター回避も100%できるようになりたいです。

終わりに

最近ではRoux Methodの片手での有用性が徐々に認知されつつあり、世界でも使用者が増えてきています。皆さんがOH Rouxを練習するにあたって、この記事が役に立てれば幸いです。

FMC Advent Calendar 2023 (3)

この記事はFMC Advent Calendar 202320日目の記事です。

昨日の記事はさーもんさんの「BBで頑張るよ!」でした。明日の記事はShotaさんの「HTRは友達」です。

 

皆さん、スペース聞きながらクロックすると揃わなくて悶絶していますか?

 

今回は(3)のスクランブルを解きます。

(3) R' U' F L' B' D' L2 U2 R2 F2 R2 F' U2 F' D2 R2 D2 L D2 U L B D U' R' U' F

 

EO

前回と同様に3手のEOを探します。

 

D R2 B*

R' D B*

(D' F2 R*)

(F2 D' R*)

 

3手EOが多くて嬉しいですね。

DR

(F2 D' R*)が既にRZPができていたので、他のRZPを探索せずこれを採用することにしました。まずはインバース方向のまま探索します。

 

(F2 D' R) // EO (3/3) → (U' F2 B2 L2 U2 L2 R2 D' R2 D' F*) // DR (11/14)

(F2 D' R') // EO (3/3) → (D' R2 D' R2 L2 U2 F2 D R2 D2 F*) // DR (11/14)

(F2 D' R') // EO (3/3) → (D2 R2 L2 D L2 U2 D' F2 D' F*) // DR (10/13)

(F2 D' R') // EO (3/3) → (U' R2 D' B2 F2 D' U' F2 D' F*) // DR (10/13)

 

うーん長い。続いてノーマル方向にスイッチします。

 

(F2 D' R*) // EO (3/3) → D2 L2 D2 F2 U2 F2 U F* // DR (8/11)

 

11手が見つかりました。

ケルトン作り

どちらも白と黄色を1面に集めると、隣接/隣接がずれた状態で出てきたのであまり良くないコーナーケースだなと思いました。そのためとりあえずブロックビルディングしました。

 

(F2 D' R) // EO (3/3)

D2 L2 D2 F2 U2 F2 U F // DR (8/11)

 

このDRから、B2で2x2ブロック、さらにD' L2 F2で2x3ブロックに拡張できました。そしてL2すると、だいたい揃った形になります。つまり、

 

(F2 D' R) // EO (3/3)

D2 L2 D2 F2 U2 F2 U F // DR (8/11)

B2 D' L2 F2 L2 U D2 // 2E2c3c (7/18)

 

インサート

(F2 D' R) // EO (3/3)

D2 * L2 D2 F2 U2 F2 U F // DR (8/11)

B2 D' L2 ** F2 L2 U D2 // 2E2c3c (7/18)

 

* = D' R' U2 R D R' U2 R // 2E2c (8-1/25)

** = B R' D B2 U' L U B2 D2 R D B' // Finish (12/37)

 

Final Solution

D R' U2 R D R' U2 R L2 D2 F2 U2 F2 U F B2 D' L2 B R' D B2 U' L U B2 D2 R D B' F2 L2 U D2 R' D F2 (37moves)

課題

はい...。コーナーを残したせいで酷いことになりました。アドカレの3試技は練習のために大会前にやったので、BBに逃げたりDR後が勘だったりいろいろと良くない点がありました。大会が終わったのでHTR subsetsやHyper Parityなどを使いこなせるようにしたいと思います。