残りのT CaseのCPパターン
T CaseのCPパターンのうち2つは前回紹介しました。そして今回は残りの4つを紹介します。残りの4つに関してはZBLLを使うことをおすすめします。ですがいきなりZBLLを覚えろというのはいかがなものかと思うので、まずはPLL読みの方法を紹介します。ZBLLを覚えるまではその方法でやりましょう。そして、最後にZBLLを紹介します。
PLL読み
OLLには、前回COLLとして紹介した手順R U R D R' U' R D' R2'を使います。この手順を回すと、No Swap(写真左奥)では背面、Back Swap(写真右奥)では左面、Front Swap(写真左手前)では右面、Diag Swap(写真右手前)では手前面にヘッドライトができます。そして、左手前の2x2ブロックが保存されます。このことからPLLを読むことができます。例えば下の写真をみてください。
CPがDiag Swapなので手前側にヘッドライトができます。そして手前に対色ペア、左側に同色ペアがあるので、出現するPLLはTパームだと分かります。OLLを回し終わったらすかさずUをしてTパームを回しましょう。
とはいえこのPLL読みは難しいケースも多いので、一部のパターンに関しては覚えることになりそうです。
ZBLLの分類方法 (Harris/Baum System)
同じCPのパターンに対して、ZBLLは12種類あります。これらを分類するには2x2ブロックに着目して判断をするHarris/Baum Systemがよく使われます。ここで解説記事のリンクを貼ろうと思ったのですが記事が消えている...。ということで少しHarris/Baumの説明をしたいと思います。
まず手前側の2つの色(FUとFUR)の関係を見ます。同色ならC(Correct)、対色ならO(Opposite)、隣接色ならA(Adjacent)と表します。同様に右側の2つの色(RUとRUF)の関係を見ます。例えば写真のパターンは、手前が同色(C)、左側が対色(O)なのでC/Oとなります。大方はこれで良いのですが、これではA/Aが4つできてしまいます。そこでA/Aのパターンでは別の部分の色の関係で判断をする必要があります。
A/Aの場合はFUとRUFの色の関係と、RUとFURの色の関係を見ます。先ほどの判断基準をねじらせたものになっているのがお分かりでしょうか。この場合/(スラッシュ)の代わりにxを使います。(ねじってるイメージでx使ってると勝手に思ってるんですが違ったらすいません。)例えば下の写真の例だと、FUとRUFが対色(O)、RUとFURが同色(C)なので、OxCとなります。
以上により、12個を分類することができました。
C/C, C/O, C/A, O/C, O/O, O/A, A/C, A/O, CxC, CxO, OxC, OxO
この記事でもこの表記を使うことが多々あります。このように2x2ブロックに着目して分類することをHarris/Baumと言います。(なのでコミュテーターOLLのPLL読みもいわばHarris-Baumです。)
さて、判断はどうするのが良いでしょうか。L CaseのZBLLなどではHarris/Baumが非常に有効ですが、T Caseでは手前に2x3ブロックがあるので、2x2ブロックだけではなく2x3ブロック全体の柄から判断すると良いと思います。特にT Caseに関しては左側も含めて判断ができると後々役に立ちます。
ZBLLの練習方法
ZBLLは複数の手順を見て自分が良いと思った手順を選定するのが良いでしょう。ZBLLの練習方法などについてはうえしゅうさんの記事が参考になります。
My ZBLL
さて、ここからは自分が使っているZBLLを1つずつ紹介します。自分なりの手順の覚え方も一緒に書いておくので、こんな感じで覚えるんだなというところを参考にすると良いと思います。
T No Swap (2GLL)
まずはNo Swap(無交換)のZBLL、いわゆる2GLLを紹介します。無交換は必ずRUgenの動きで揃えることができます。そのため2G(2gen)LLという名前がついています。逆に無交換以外のパターンはRUgenで揃えることができません。
C/C
(U') (R U R' U R U2' R') (L' U' L U' L' U2 L)
2つのコーナーのCOだけのパターンです。判断も簡単で、手順も右Sune→左Suneと非常に簡単です。BLDのCO手順にも使われるので知っている方も多いと思います。
C/O
(U') (R' U' R U' R' U2' R) U (R' U2' R U R' U R)
手前に大きなバーがあって対色ペアが右側にあります。対色ペアの部分をあげるようにしてSuneを回し始めると覚えています。
C/A
(U') (R U R' U R U2' R') U' (R U2' R' U' R U' R')
C/Oと対称のパターンです。左側に対色ペアがあるので、この部分を上げるようにSuneを回し始めると覚えています。
O/C
(U2) (R' U2' R U R' U R) U' (R' U' R U' R' U2' R)
Raパームのようなブロックがありますが、ヘッドライトの色とその真ん中の色が対色になっています。これはバーがない方を右にしてそこを上げるようにAnti Suneを回し始めると覚えています。
O/A
(R U2' R' U' R U' R') U (R U R' U R U2' R')
O/Cの対称のパターンで、Rbパームのようなブロックがありますが、ヘッドライトとその真ん中の色が対色になっています。Harris/Baumの順番で行くとO/Oが次なのですが、O/Cの対称形のO/Aから紹介しました。
O/O
R' U R U2 R' U' R U' R U R' U' R' U' R U R U' R'
側面のすべてが対色ペアになっているパターンです。FRスロットとBRスロットを出し入れしていろいろやります。
A/C
(U') R' U' R U' R' U R U' R U R2' U R2 U2' R'
Raパームのようなブロックがあります。これもFRスロットとBRスロットの動きで覚えます。バーがある方を上げるように回し始めます。
CxO
(U') R U R' U R U' R' U R' U' R2 U' R2' U2' R
A/Cと対称で、Rbパームのようなブロックがあります。
A/O
(U') R U R2' U' R2 U' R2' U2' R U' R U' R'
ブロックがないので判断しずらいので、こういうものの判断はHarris/Baumっぽくなりますね。FRスロットとBRスロットの動きで覚えられるのですが少し変わった動きが多い気がします。対色ペアがない方を上げるように回し始めます。
OxC
(U') R' U' R2 U R2' U R2 U2' R' U R' U R
A/Oと対称です。
CxC
(R U2' R' U' R U' R') (R' U2' R U R' U R)
右側に縞々模様(?)があります。縞々模様がある方からAnti Suneを回し始めます。
OxO
(U2) (R' U2' R U R' U R) (R U2' R' U' R U' R')
左側に縞々模様があり、CxCと対称です。
T Back Swap
C/C
R' U R U2 L' R' U R U' L
右側に偏っている大きなブロックがあって、手順も短くて覚えやすいと思います。
C/A
(U2) R U' R' U2 L R U' R' U L'
左側に偏っている大きなブロックがあります。C/Cと対称です。個人的にC/Cより回しやすいと思います。
C/O
(U2) R' U' R (R U R' F' R U R' U' R' F R2 U' R') U' R' U R
手前側一列にだけバーがあります。R' U' RでセットアップしてJbを回しています。
O/C
(U2) Rw U' Rw U2' R' F R U2' Rw2' F
Tパームみたいなブロックが手前にあります。非常に独特な動きの手順ですね。短い手順なのでFMCでたまに使われます。
O/O
(U2) F' U' L' U2 L U F R U R' U' R U' R'
手前と右に対色ペアがあります。最後が簡単なWVになっています。
O/A
F U' R' U2' R U F' R' U' R U R' U R
O/Oと対称ですが、違う動きの手順を使っています。最後が簡単なWVになっている点は一緒です。
A/C
(U) R U R2' F R F' R U' R' F' U F
Raパームのようなブロックがあります。
CxC
(U2) R' U' R U' R' U2 R' D' R U' R' D R U R
Rbパームのようなブロックがあります。裏Suneとコミュテーターの組み合わせになっています。
A/O
(U2) R' U' R U' R' U R F U' R' U2 R U F'
右側にだけ対色ペアがあります。O/Aの逆手順になっています。
OxO
R U R' U R U' R' F' U' L' U2 L U F
左側にだけ対色ペアがあります。O/Oの逆手順になっています。
CxO
(R' U2' R U R' U R) (F U R U2' R' U R U R' F')
判断が難しいですね...。最初が裏Anti Suneになっています。
OxC
(F R U' R' U' R U2' R' U' F') (R' U' R U' R' U2' R)
CxOの逆手順になっているので、後半は裏Suneです。
T Back Swap
C/C
(U) Rw' U2' L' D2' L U2' L' D2' L Rw = [Rw': [U2, L' D2 L]]
右側に2x2ブロックがあって判断しやすいのと、コーナーの3点交換なのでコミュテーターになっています。Aパームと非常に良く似た手順です。ちなみに僕は右手D2しかできないのでL面主体の手順になっています。
(cf: Rw' U L' D2' L U' L' D2' L Rw = [Rw': [U, L' D2 L]])
O/O
(U) Rw U2' L D2' L' U2' L D2' L' Rw' = [Rw: [U2, L D2 L']]
C/Cの対称パターンで、左側に2x2ブロックがあります。コミュテーターになっていて、Aパームと非常に良く似た手順です。
(cf: Rw U' L D2' L' U L D2' L' Rw' = [Rw: [U', L D2 L']])
C/O
(U) R U R D R' U' R D' R' U R' U R U2' R'
右に横向きのブロックがあります。前回紹介したTのCOLLとSuneにキャンセルを入れた手順になっています。
O/A
(U) R' U' R' D' R U R' D R U' R U' R' U2' R
左に横向きのブロックがあります。C/Oの対称型で、こちらも前回紹介したTのCOLLと裏Suneにキャンセルを入れた手順になっています。
C/A
(R' U2 R' D' R U2 R' D R2) (R U R' U R U2' R')
右に横向きのブロックと左に縦向きのブロックがあります。手順も簡単で、簡単なLのCOLL(後日また紹介します!)を回してからSuneを回します。R2 Rの部分はR3のように回します。
O/C
(U2) (R U2 R D R' U2 R D' R2') (R' U' R U' R' U2 R)
C/Aの対称型で、左に縦向きのブロックと右に横向きのブロックがあります。こちらの手順も簡単なLのCOLLと裏Suneの組み合わせです。R2' R'の部分はR3'のように回します。
A/C
(U2) (L' U2 L U L' U L) (Rw U R' U' Rw' F R F')
右に縦向きのブロックがある形です。ブロック後ろにして、ブロックの裏側からAnti Suneを回すと、見たことあるTのCOLLの形が出てきます。前回紹介した手順を使っても良いのですが、Anti Suneとのつながりはこの手順の方が良いです。
OxC
(U2) (R U2' R' U' R U' R') (R' F' Rw U R U' Rw' F)
左に縦向きブロックがあり、A/Cの対称形です。鏡手順を使って揃えます。
A/O
(U) R' U' R L U2 R' U R U2 L' U' R' U R
これはブロックがありません。右側に唯一対色ペアがあります。BRスロットとBLスロットの動きで覚えましょう。
CxO
(U) R U R' L' U2 R U' R' U2 L U R U' R'
左側に対色ペアがあります。A/Oの対称形です。
CxC
Rw U2' R2' F R F' U2' Rw' F R U R U' R' F'
ブロックも対色ペアもありませんが、2x2ブロックが縞々になっています。
OxO
(U2) F R U R' U' R U' R' U' R U R' F'
何もそろってない場合です...。(さすがにHarris/BaumでOxOと判断した方が良い。)TのFront Swapではおそらくもっとも回しやすい手順です。Roux MethodのCMLLとしても使われる手順です。
T Diag Swap
C/C
(U2) R U R' F' R U R' U' R' F R U' R' F R U R U' R' F'
右側に2x2ブロックがあるので判断は簡単です。最初はJbパームと一緒ですが、最後普通にスロットインするのではなくWVを使ってスロットインをします。
O/A
(U) R U' R2' D' Rw U2 Rw' D R2 U' R' U' R U' R'
左側に2x2ブロックがあります。D' Rw U2 Rw Dのあたりが特徴的ですね。最後は簡単なSVになっています。
C/O
(U2) R U' R2' D' Rw U2 Rw' D R2 U R'
左側に縦向きブロック、右側に横向きブロックがあります。途中までO/Aと全く一緒で、最後はSVではなく普通にスロットインします。
O/C
R' U R2 D Rw' U2 Rw D' R2' U' R
右側に縦向きブロック、左側に横向きブロックがあります。C/Oの対称形です。
C/A
(U) R U R' U' R U R2' D' R U' R' D R U2 R U' R'
右側に横向きのブロックがあります。回しやすいです。
O/O
F U R' D' Rw U2 Rw' D R2 U' R' U F'
左側に横向きのブロックがあります。C/Aの対称形なので、鏡手順の裏手順でも悪くないのですが、少し回しづらいので別の手順を使っています。また2層回しを使った特徴的な動きが出てきました。
A/C
R' U' R U2 R D R' U' R D' R2' U R U' R' U R
右側に縦向きブロックがあります。BRスロットの動きで覚えましょう。
OxO
(U2) R U R' U2' R' D' R U R' D R2 U' R' U R U' R'
左側に縦向きブロックがあります。A/Cの対称形なので、A/Cの鏡手順の裏手順でもあり、C/Aの逆手順でもあります。
A/O
R U' R' U R U R' U' R U R' U R' D' R U R' D R
右側に対色ペアがあります。FRスロットをT型で取り出して、変形して、エッジだけ入れて、最後コミュテーターで揃えるという流れになっています。
CxC
(U) R' D' R U' R' D R U' R U' R' U R U' R' U' R U R'
左側に対色ペアがあります。A/Oの対称形なのですが、逆手順が使えます。
CxO
(U2) F U R' D' R U R' D R U' R' D' R U' R' D R F'
判断は難しいです。素直にHarris/BaumでCxOと判断しましょう。手順自体はコミュテーターのオンパレードで、個人的に一番好きなZBLLです。
OxC
(U) (Rw U Rw' R U R' U' R U R' U' Rw U' Rw') (F R U R' U' F')
こちらも判断が難しいですね。しかもこのケースは良い手順があまりありません。(この手順は20手なのに、OLL→Aパームで19手なのは内緒。)
次回予告
これにてT Caseを1Lookで解くことができるようになりました。T Caseは1Lookを目指すうえで非常に重要な立ち位置にいます。ぜひ使えるようになりましょう!さて次回は、U CaseのPLL読みを紹介します!