メガミンクスのCNについて

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2022の10日目の記事です。

昨日の記事はwajimajiさんのRexCubeのスピード解法でした。明日の記事はたいへいさんの3style習得法です。

 

こんにちは、今年もアドカレの季節がやってきましたね。自分はスピードを追い求めるスピードキューバーでありながら、人とは少し違うことをしてロマンを求めたがる人間でもあります。そのような人と違うことの中でも最も特殊なものが、メガミンクスのCNです。今日はこれについて深堀りしていきます。そして、文字だけでは分かりづらいので、適宜動画を埋め込んでいます。

※この記事はメガミンクスのCNを勧めるものではありません。世界トップの選手たちは皆固定スターで、S2Lの順番も固定するのが一般的です。こちらの方が良いことに疑いの余地はありません。

固定スターが選ばれている理由

完全固定を例に挙げます。白スターを作り白のF2Lペアを5つ埋めた後、白に隣接する色のスターを拡張していきます。例えば青のスターエッジ残り2つを埋めて、青のS2Lペアを3つ埋めます。右回りに進んでいくなら、その後は赤のスターエッジ残り1つを埋めて、赤のS2Lペアを2つ埋めます。これを繰り返し、S2Lを揃えていきます。

この色は何でもよいのですが、固定することによって次に何色のパーツを揃えるべきかが体に染みついた状態になるため、先読みがしやすいのです。メガミンクスはパーツの種類があまりにも多いので、この先読みのしやすさはとても大事です。

S2Lの順番を固定しない流儀もあって、その場合はS2Lの最初のスターを固定しません。白スターの場合、S2Lは青から始めてもいいし赤から始めても良いです。こちらもS2Lの順番さえ頭に入っていれば次に何を揃えるべきか分かるので、比較的現実的でしょう。

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最も初歩的なCN

さて、スターの色を固定しないとどうなるでしょうか。

まずF2L、固定スターでは側面色も頭に入っている状態なのですが、CNだとそれが難しいのでスター色のコーナーを見つけてその相方を探す感じになるでしょうか。エッジを先に見つけるのはとても難しいです。が、このエッジの感覚はいずれ身に着けられると思います。というのも、例えば白赤青のコーナーは見慣れていると思いますが、白赤ピンクのコーナーを見ると違和感があると思います。これを頭の中で想像すると、白スターの場合は赤ピンクのエッジはF2Lエッジでないと分かるはずです。これを感覚的に身に着けていきたいと思います。

次にS2L、揃ってるブロックや目に入ったエッジを生かして最初のブロックを作っていきます。ここからの先読みが大変です。固定の場合、青の次は赤、赤の次は緑、と順番が頭に入っています。しかしCNではこの感覚を身に着けるのは難しく、12色について配色を覚えるというのは現実的でないと思います。そのため、揃えながらセンターを見て次揃える場所の色を確認していく、というのが常套手段になります。そしてこれは意識しないとおろそかになっていくので、ソルブ中は常に意識しましょう。

このように、スターの色を固定せずにスターを作り、F2LやS2Lも固定の時と全く同じように解いていきます。見出しにもあるようにこれは最初に思いつく最も初歩的なCNです。しかし同時に真のCNであるとも言えます。このCNを使って、先日行われた綾瀬B2022秋に出場しました。結果は、

1:34.47 = 1:30.53 1:49.70 (1:14.39) (1:51.73) 1:23.18

19人中17位............いやこんなはずじゃなかったんですよ(略)
少なくとも初歩的なCNは間違っていたようです。ここからは、真のCNからはそれるものの、いかにしてCNの恩恵を生かしつつ固定に近い感覚で揃えるかというのを試していきます。

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デュアル

綾瀬の大会で日本記録保持者のらいひーさんから、デュアルという概念を教わりました。例えば白スターか、青スターのどちらかで揃えます。白スターの場合はF2Lの後青スターを拡張、青スターの場合はF2Lの後白スターを拡張します。すると、この2つは同じ状態になり、合流することが可能です。このようにすることで、この後のS2Lは白スターの時と同様に揃えることができ、固定の感覚をそのまま生かすことができます。

先ほど紹介した最も初歩的なCNの発想しか頭になかった自分は、この概念を知ってとても感動しました。

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6色スター

先ほどデュアルについて書きました。これは白スター→青を拡張というような完全固定を前提にした発想ですが、S2Lの順番を固定しないとどうでしょう。白に隣接する青、赤、緑、紫、黄の5色が使用可能になります。白スターの場合はS2Lを固定せず、他の5色の場合はS2Lの最初を白にすることで、白スターに合流します。

これには非常にポテンシャルを感じていて、CN系の中では最強だと思っています。

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完全CN

それでも12色で解きたいですよね?僕は解きたいです。白スターと同様に、反対側の灰色スターも同様にします。灰色スターの場合はS2Lの順番を固定せず、水色、クリーム色、ピンク、黄緑、オレンジの場合はS2Lの最初を灰色にして、灰色スターに合流します。初歩的なCNの欄で、

12色について配色を覚えるというのは現実的でないと思います。

と書きましたが、白と灰色の2つだったらできると思います。2色は12色に比べて少ないのはもちろんのこと、白と灰色など対面の場合は、S2LのD面色(?)の重複がないため、混乱はしにくいためです。

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CNのメリットとインスペクションの使い方

ここまではいかにしてCNで先読みを行うか、について話を進めてきましたが、ここまでインスペクションにおけるスター色の選び方やCNのメリットについては一切触れてこなかったので、それについて書こうと思います。

インスペクションは15秒しかないので、12色全てのスターを読むのは不可能です。そのため、ざっと見てなるべく多くエッジが揃っているものを探します。たいていの場合、2個以上揃っているスターがあります。基本的にメガミンクスのスターはパーツがある場所が多く、ラッキーケースは少ないです。しかし12色使えると、ちょっとしたラッキーケースは非常に多く、スターを完読みできることも少なくありません。6色でも十分ラッキーケースを引くことができます。しかし、デュアルは少し恩恵が少ないです。6色がCN系で最強と言ったのはこれが理由です。

まとめ

というわけで、メガミンクスCNについてまとめてきました。少なくとも今の段階では固定するのが"正しい"ですし、そうすることをおすすめします。が、それでもCNをやってみたい方の助けになれば幸いです。6色スターぐらいだったらトップ層で使う人が現れてもおかしくないと思っています。