Ufr/UFr/UFRで始める4BLD

4BLDの初級解法として有名なのは、U2/r2/OPでY.Yさんの記事僕の動画で解説されています。この解法はM2/OPに親しんでいる方にとっては覚えることが少なく分かりやすい解法です。しかし、3BLDで既にUF/UFRの3styleを使っている方にとっては少し無駄があります。そこで、3styleを既に習得している方向けに4BLDの解法を紹介します。

Xセンター U2法(Ufrバッファ)

Xセンターは各面に4つあるセンターのことで、アルファベットのXの配置をしているのでXセンターと呼ばれます。また、コーナーと同じナンバリングを使うことができます。

U2法ではUblバッファがよく使われますが、バッファを1か所に集めるためUfrバッファのU2法を紹介します。

U2の動きでUfrとUblが交換されることを利用して、センターを1つずつ揃えていきます。交換したいパーツをUblにセットアップ→U2→逆セットアップの流れです。

手順一覧

Ubl: U2

*Ubr: (r u' r') U (r u r') U (r u' r') U2 (r u r') U2 = [r u' r' U: [r u r', U]] U2

*Ufl: (r u' r') U' (r u r') U' (r u' r') U2 (r u r') U2 = [r u' r' U': [r u r', U']] U2

*M2法のM列手順と同様、偶数文字目の場合は反対側の手順を使う。

Ful: (u l u' l') U2 (l u l' u')

Fur: y (r' u' r) U2 (r' u r) y'

Fdr: (l' d2 l) U2 (l' d2 l)

Fdl: y' (l d' l') U2 (l d l') y

Ruf: (l u l') U2 (l u' l')

Rub: y (u r' u' r) U2 (r' u r u') y' 

Rdb: (l' d l) U2 (l' d' l)

Rdf: y' (l d2 l') U2 (l d2 l') y

Bur: (l u2 l') U2 (l u2 l')

Bul: y (r' u r) U2 (r' u' r) y'

Bdl: (d l' d' l) U2 (l' d l d')

Bdr: y' (l d l') U2 (l d' l') y

Lub: (l u' l') U2 (l u l')

Luf: y (r' u2 r) U2 (r' u2 r) y'

Ldf: (l' d' l) U2 (l' d l)

Ldb: y' (d' l d l') U2 (l d' l' d) y

Dfl: D' (l2 D' l2 D l2) U2 (l2 D' l2 D l2) D

Dfr: D2 (l2 D' l2 D l2) U2 (l2 D' l2 D l2) D2

Dbr: D (l2 D' l2 D l2) U2 (l2 D' l2 D l2) D'

Dbl: (l2 D' l2 D l2) U2 (l2 D' l2 D l2)

側面ステッカーは簡単にセットアップを理解できると思います。ナンバリングによってはセットアップと規則性があって分かりやすいかもしれません。D面に関しては、l2 D' l2 D l2でDblセンターをUblにセットアップすることができます。

UbrとUflですが、上記の長い手順を使うこともできますが、3BLDで3styleを習得している方には、UblとUflがらみのみ3styleを使うことをおすすめします。いずれもU面インターチェンジの3cycleに持ち込みやすく、簡単です。例えば僕の手順表や記事の最後に示す手順表にXセンターの3style手順があるので参考にしてください。ただし、一部U面インターチェンジに持ち込まない特殊な手順もあるので、覚えやすいようにアレンジしてもらって構いません。

パリティ

Xセンターの文字数が奇数文字の場合、最後にU2をするとパリティが解消できます。

ウィングエッジ Orozco法(UFrバッファ, BUrヘルパー)

4のエッジは位置が定まれば向きも定まるので、ナンバリングをするステッカーは2つあるうちの片方のみでOKです。したがって、3BLDのエッジと同じナンバリングを使うことができます。この説明だけでは分かりづらいと思うので、例として僕のナンバリングを載せておきます。

Orozco法を経由した方なら分かると思いますが、奇数文字目の場合はバッファ-ターゲット-ヘルパー、偶数文字目の場合はバッファ-ヘルパー-ターゲットの3style手順を回します。

手順一覧

例として、バッファ-ターゲット-ヘルパーの手順を載せます。奇数文字目の場合は記載の手順を回し、偶数文字目の場合はインサートとインターチェンジを逆にしてください。

UBl: [Rw' F': [u', R U R']]

URb: [R': [r', U' R U]]

ULf: [Lw: [r', U L' U']]

FUl: [Rw B: [R' U' R, u]]

FRu: [r', U' R U]

FDr: [D R: [U R U', r]] ([D: [U R2 U', r]]でも可)

FLd: [r', U L' U']

RUf: [R: [U R' U', r]]

RBu: [U R' U', r] 

RDb: [R: [U R U', r]] ([U R2 U', r]でも可)

RFd: [U R U', r]

BUr: (何もしない)

BLu: [r', U L U']

BDl: [D' R: [U R U', r]] ([D': [U R2 U', r]]でも可)

BRd: [r', U' R' U]

LUb: [Lw': [U' L U, r]]

LFu: [U' L' U, r]

LDf: [L': [U' L' U, r]] ([U' L2 U, r]でも可)

LBd: [U' L U, r]

DFl: [D R': [r', U' R' U]] ([D: [r', U' R2 U]]でも可)

DRf: [R': [r', U' R' U]] ([r', U' R2 U]でも可)

DBr: [D' R': [r', U' R' U]] ([D': [r', U' R2 U]]でも可)

DLb: [Lw: [r', U L U']] ([r', U L2 U']でも可)

UBlとFUl以外はM列インターチェンジに持ち込んでいるので、理解は簡単だと思います。D面に関しては、3BLDでS列を使う手順を用いている方も多いと思いますが、多分割のウィングエッジで回そうとするとfやbになってしまいます。トップ層にはfやbのようなリスキーな指使いをする方もいますが、まずはM列系を使うことをおすすめします。

UBlとFUlはそもそも3BLDでは出くわさないパターンなのでこれはこれで覚えましょう。ちなみにこれらは4BLDの手順にしては指の繋がりが良い手順で、回しやすいです。

パリティ

ウィングエッジのパリティは単独で起こります。Orozcoで最後まで実行すると、奇数文字の場合はUFrとBUrの交換が残ります。ここで、

l' U2 l' U2 M' U2 l' U2 l U2 r' U2 l2

の手順を回すと、UFrとBUrの単独2点交換が起こります。

また、最後の1文字をBUrにセットアップして上記の手順を回しても良いです。ただしこのやり方は注意が必要です。

BRd: B (2点交換) B'

RBu: U R' U' (2点交換) U R U'

このようにして、BUrにセットアップできるものもありますが、

FUl: Lw2 B2 (2点交換) B2 Lw2

このようなセットアップをすると、センターが崩れてしまいます。2層回しを含むセットアップはできません。この場合は素直にUFr FUl BUrを回してから、2点交換を行います。

コーナー 3style(UFRバッファ)

3BLDと同じ3style手順が使えます。

パリティ

Xセンターやウィングエッジと同様に、コーナーのパリティは単独で起こります。

R U R' U' (r2 U2 r2 Uw2 r2 Uw2 U2) U R U' R'

を回すと、3BLDで言うUFとURのエッジが交換されます。かっこの中の部分は開眼で使われるPLLパリティの手順で、R U R' U'で対面エッジの交換に持ち込んでいます。

コーナーが奇数文字の場合、このエッジの交換と各コーナーパリティ手順を使うことでパリティを処理できます。

注意点

分析

Xセンターとウィングエッジの分析は最初は難しいと思います。

Xセンターは同じパーツが複数あるため、既に分析した場所としていない場所を把握している必要があります。そのため、同じ面の中で優先順位をあらかじめつけておくと分かりやすいです。例えば、自分は面の左上から時計回りに優先順位をつけています。

ウィングエッジは分析する側のステッカーを体に染み込ませるのに時間がかかるので、最初は大変ですが頑張ってください。パーツが多いので、ループを見逃すことがあるかもしれません。最初は文字数で検算しても良いと思います。文字数は23-(既に揃っているパーツの数)+(新しく始めたループの数)になっているはずです。

記憶

記憶量が少し多いので場所法が使える方は使うと良いと思います。使えない方は、今すぐ使わなくても良いと思います。(僕がそうだったので)

実行

実行について重要な注意点があります。ウィングエッジのパリティやコーナーのパリティ手順はセンターが回転するので、これらはセンターを揃えた後に実行する必要があります。センターを一番最初に実行すると、これらの面倒なことは回避できます。4BLDは最初は考えることが多くて大変なので、全てレターペアで覚えてセンターを最初に実行するのが良いです。

音記憶を使いたい場合は、コーナーを最後に音記憶して、最初に実行する方法がよく使われます。しかし、パリティ手順はセンターを揃えた後にしか使えないので、1文字だけ残してセンターを揃える必要があります。

オーディオペアが使える方は、頑張ればXセンターで音記憶できるかもしれません。できたらこれが一番いいでしょう。

交換分析について

トップ層はコーナーパリティがある際にウィングエッジの交換分析を行いますが、以下の理由からしない方が無難です。

  • 最後にコーナー音記憶する場合は、ウィングエッジ分析時にコーナーパリティがあるかどうかわからない。
  • 交換分析してもウィングエッジパリティの有無は変わらない。
  • 交換分析するべきパーツが4つもあるので、難しい。

手順表一覧

Ufr/UFr/UFRのメリットはなんといっても3styleに少しづつ移行できることです。慣れてきたら3styleを導入していきましょう。

Stanley's BLD Algs - Google スプレッドシート (Xセンター、ウィングパリティのみ)

Tripod's BLD Repertoire - Google スプレッドシート

Daniel Wallin BLD Sheet - Google スプレッドシート

bigblind (under construction) - Google スプレッドシート

Unified BLD Algorithm Database

IronCuber333's BLD Algs (3style & Parity) - Google スプレッドシート (僕の手順表なので、速さはあまり保証されていません)

最後に

4BLDは、センターやエッジの分析など難しい点も多いですが、3BLDで3styleを習得した皆さんならできると思います!この記事を読んで成功したという方がいらっしゃったら報告して頂けると筆者が喜びます。